『力の入れ具合』について(前編:きっかけ)

今日は「力の入れ具合」についてお話をしたいと思います。
「柔道」の「力の入れ具合」に疑問を感じ、「合気道」、「居合道」を始めるきっかけになったお話です。

2年前の夏に柔道の練習を再開し、翌年の春(2021年4月)には柔道の聖地である『講道館』の月次試合に出場してみることにしました。
練習を再開したとはいっても、練習会に参加する人は少なく、コロナの感染状況から乱取りという実戦形式の練習は限られた時間しかできない状況でした。なので練習内容は一人でやるシャドー打ち込みと居合わせた人とやる打ち込みくらいでした。

実は月次試合の直前の練習で肋骨を痛めていたので、対策としては「力勝負は避け、ダンスで培ったフットワークの動きでチャンスを見つけよう」と考えていました。とても不安な気持ちで会場入りし、さらに会場では他の参加者がとても強そうに見えガクガクしていたのを覚えています。

いよいよ試合の時間になり、相手は年齢はほぼ同じくらいだがまたもや体格が一回り大きい方。
私は力勝負は避け間合い(距離)を保ちましたが、相手の力が強く上体が下がって腰も引けてしまいました。ふと相手の動きが一瞬止まった時に、体を起こしつつ「大内刈り」をかけたところ相手がバランスを大きく崩し、なんと一本勝ちしてしまいました。感触としては「いつの間にか決まってしまった」、「あまり力を入れた感覚がない」、という不思議な感じ。

実は、過去中学時代は試合に出ても強いほうでなかったので、勝利した記憶があまりない。そんな中でもはっきりと一本勝ちしたのを覚えているのは2試合あるのですが、その時も力を入れず瞬間に決まったのを思い出しました。

力まず自分自身の動作を理想通りに実現するにはどうすれば良いのかということで、様々な武道の本を読むことにしました。参考にした本には「合気道」や「古武術」に関する本が多く、「力のベクトル?」「力がぶつからない?」という今までに想像したことがない表現の記載でした。これは体験してみないとわからないということで、実際に2021年の6月から「合気道」、「居合道」に通ってみることにしました。

中編に続く。